勝常区環境保全会便り 「まちづくり元気塾特集」
勝常区環境保全会便り 「まちづくり元気塾特集」
前回保全会便りに記載の通り、東北電力「まちづくり元気塾」への取り組みが本年度六月から行われています。今回の取り組みは、昨年度から保全会役員と地区農業者とで構成される「活性化対策委員会」の延長線上で、主な目的は少子高齢化に的確に対応できる「新農事組合」組織の再構築に伴う、勝常区全体で当区の基幹産業である農業を将来的に効率よく、また区民が農業を通して雇用の創出ができるような次世代の勝常区農業を目指すことを目的にしています。
例えば、農繁期の人手不足を農業者だけでなく、非農業者の手を借りたり、田植え・稲刈りに伴う機械オペレーターの専門部隊を編成したり、機械等の経費節減に伴う整備等を区内の整備専門家に任せたり、区内に住むそれぞれに得意分野で構成されたチームをもって、当区の農業の中で、高効率で生産性の高い、高利潤の理想の農業を目指し、老弱男女問わず何らかの収益を区内で上げられるような思索を今後展開していくことです。一見バカな話と思うかもしれませんが、今日のような機械化農業が定着する前は、農繁期に隣近所は勿論近隣の村や町からの人手に頼っていた時期もありました。
その当時、各村々には農協と同じ定款をもった強力な農事組合組織が存在し、集落全体が農業に対する雇用の場でもありました。昨今、人の何十倍もの仕事をする田植機やコンバインが導入され、人手は無くても、現状農業の維持管理はできるようになりましたが、反面米価に相反する設備投資の悪化により、個人農業は危機的状況に追い込まれているのも事実です。
「そこに田んぼがあるから米を作る」から、どうすればここで獲れる米をさらに高品質で・安心で美味しい魅力的な米に変えていくかが求められています。
今、昔のような集落全体で各人が持つ、特技・スキルを当区の魅力的な農業に生かしていくか、また今後の後継者に伝えていくかという問題を本気で考える組織作りが急務と考えます。
そんな思いの中、今回のまちづくり元気塾は当区の農事組合再生に関わる当区の魅力作りの一環として、第三者の視点で見た当区の長所・欠点をあぶり出し、区内の農業をさらに魅力的にする景観作りであったり高品質な米の更なる収益性を上げる為の手段であったりと、普段は気づかなかった様々な思いを呼び起こすための大変良い機会と期待をし取り組んでいる所です。
※編集後記※
勝常区環境保全会活動も本年が一区切りの年度となりました。
平成26年度から始まった多面的機能支援交付金活動も、勝常区に対してかなり定着し次年度以降、新たに多面的機能支援交付金活動が始まります。
本年は、最終年度にふさわしく東北電力「まちづくり元気塾」の支援等も頂き、ある意味とても忙しく、またある意味とても楽しい日々を送っています。
まだまだ保全会の内容等の理解を頂くには、努力が足りないのかもしれませんが、私なりにできうる限りの事はしていきたいと思っています。
今後、勝常区をに担っていく次世代の後継者・子供たちのために・・・・
勝常区環境保全会 代表 兼子 光右
勝常区活性化への取り組み「まちづくり元気塾」支援事業
◎第一回まちづくり元気塾の内容
去る6月2日(土)・3日(日)の両日に行われた第一回まちづくり元気塾では、勝常区が誇る建造物という観点から勝常寺と高畑弘氏の協力の下で、勝常寺の拝観と高畑氏の蔵座敷の視察を実施しました。3月の事前視察の際にパートナーとなる橋立先生や寺川先生が一番に興味を示されたのが勝常区の象徴である勝常寺へ続く参道
の風景でした。
常日頃我々が当たり前と思っている村内や農道
の景観が初めてこの地を訪れる人にとっては目
新しくまた第三者の目から見て「ここがこう
なっていればさらに・・・」
という普段我々が気づかない長所・欠点があぶ
り出される事がある。
今回の「まちづくり元気塾」への取り組みにあ
たって一番指摘を受けたかったことでもあるし
普段の勝常区の長所・欠点は、当たり前という
慣れた考えの基には気づかない事が多い。本来
ならば保全会として立案中である集落内の雇用
促進を目指した区民一体となった農事組合構想の中で取り上げたい事例でもあったが、順番は前後するも内容的には、勝常区にとって今後のプラスになるチャンスだと考えています。
現在、保全会役員や区内の重要な農業者による話し
合いが中心となってますが、勝常区の現状把握と更
なる魅力アップにつながる重要な話し合いの場と考
えているところでもあります。
一本の藁より、十本の藁の方が強く、さらに勝常区
という藁束があれば、他では真似できないすばらし
い農村を築いていけると自負しています。
このチャンスを生かすために区民ひとり一人の知恵
と力が必要です。
ご理解・ご協力を心からお願いいたします。
◎第二回まちづくり元気塾の内容
去る8月25日(土)・26(日)の両日、第二回まちづくり元気塾が開催されました。
第一回の様々な協議事項を元に今回は、最近ほとんど無くなってしまった区内の冠婚葬祭時の賄い料理を中心に女性の方々の協力を得て再現してみました。
昨今の区内の凶事・祝い事は、ほとんどが近隣
の式場を使って行われるため、昔のような親族
や村親戚または子供同士のその時々の重要なコ
ミュニケーションの場が少なくなり昔ながらの
農村の良さが失われつつあります。
確かに昨今の区内の事情は、近年の少子高齢化
の影響もあり、家で様々な事を行うには大変難
しい状況であることは確かです。
今回の元気塾で女性陣を中心に、区内の賄い料
理を公民館で作って貰いましたが、とても和気
あいあいの中で、昨今忘れ去られていた賄い風景を思い出しパートナーの先生方や電力の関係者も一緒になって手伝って貰ったり出来た料理をみんなで色々と評価しながら楽しく、それぞれの思いを腹を割って話し合いながら今後の勝常区にとって必要なこと、また無くしてはならないこと等々、男性視点とはひと味も
ふた味も違う内容で、まざまざと女性観点の重要
性を再認識させられた。考えてみれば女性陣のほ
とんどは当区に嫁に来られた方々で、数年・数十
年と当区に貢献している方々なので、言ってみれ
ば身近に当区の長所・欠点を知り尽くしている貴
重な存在であるのも事実です。
元々この地に住んでいる長男坊より何倍もこの地
に対する思いをもっているに違いがありません。
そんな女性陣や今後この地の将来を担う子供たち
が、この地の魅力アップを図れる機会があれば、
勝常区はもっともっと住みよい農村になると思う。
今回ご協力頂いた女性陣に心から感謝致します。
◎勝常名物づくりに挑戦!
第2回まちづくり元気塾のテーマは「できる事からやってみよう」と言う事で、前記の通り今回女性の方々色々とお手伝い頂き話し合いの結果、区内の賄い料理の中で何か特色を出してみようと、凶事・祝い事には欠かせない「赤飯を餅にしたらどうなるか?」という発想の元に「勝常赤餅」づくりに挑戦を
してみました。
赤餅というと伊勢の赤福が有名ですが赤福は白
餅に赤餡をまぶしただけです。また、紅白餅は
色粉を使用していますが、今回女性陣の巧みの
技を結集して作り上げた赤餅は、自然の食材だ
けで餅に色を付け見事に「勝常赤餅」を作り上
げる事に成功しました。
今後の勝常区の目玉として、又勝常寺の名物と
して大変貴重な一品をレシピに加える事ができ
ました。
女性陣にはご苦労をお掛けしながら、写真の通
り当区の賄い料理の再現をしてもらいましたが会津では当たり前のこづゆ・天ぷらまんじゅう・煮魚・新鮮野菜の漬け物・サラダ・こんにゃく煮物等々電力の社員で仙台など都会生活になれた人にとっては、
心のこもった温かい田舎料理は大好評で何度もお
かわりをするほどの好評ぶりでした。
また、今回勝常の名物づくりの一環として赤飯を
餅にする「勝常赤餅」にも挑戦してもらいました
が、女性陣が色々と知恵を出し合ってできた餅は
大成功で、色も味も大満足で(写真上のきなこ餅)
これからの勝常区の名物となる可能性を見いだし
ました。あまりの美味しさに赤餅の完成時の写真
を撮るのを忘れるほどでした。
今回の挑戦で「当たり前から新しい」のものづくりの発想が見えた気がします。
◎勝常区の新たな第一歩
上記に記載の通り、「まちづくり元気塾」の締めくくりとして勝常念仏踊りの豊作祈願から半年後の無事収穫に感謝する第二弾の当区のイベントとして定着させるべく、区民が一つになって、様々な知恵を出し合いながら今後継続できる形でまた収穫された米の直販体制の確立を目指しながら取り組んでいきたいと考えています。
区民はもとより、訪れた観光客にも楽しんでもらえるようなイベントにしたいと思います。